苫小牧市の受動喫煙防止条例施行3カ月 飲食店徐々に禁煙、、

2020/07/04 10:14 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/437274

 受動喫煙対策を強化する苫小牧市の受動喫煙防止条例が4月1日に施行されて3カ月が過ぎた。市内の飲食店では、各オーナーに理解が浸透し、禁煙や分煙が徐々に広がっている。市が禁煙の飲食店を対象とする独自の認定制度も登録店舗が40店を超えた。市は今後も条例や認定制度をPRし、受動喫煙防止の取り組みを後押ししていく方針だ。

 市の条例は改正健康増進法と同様、喫煙可、分煙の飲食店に表示を義務づけたほか、独自に禁煙の場合も義務づけの対象にしている。妊婦や子どもらにとって、入りやすい店を分かりやすく示す狙いだ。

 市表町5のカフェ「ヴァンカム」は、4月1日から店内を禁煙にし、たばこを吸える場所は店舗敷地内の屋外喫煙所のみにした。出入り口には禁煙の標識を掲示するほか、店内には禁煙を示す張り紙を掲示。これまでは喫煙者の客が多くを占めていたが、煙に満ちた店内に我慢できず、すぐに帰る客もいたという。オーナーの山口勝さんは「愛煙家の常連客もいるので、なかなか店内禁煙に踏み切れずにいたが、条例や法律の施行が決断を後押ししてくれた」と話す。

 市は条例施行に先立ち、昨年8月から、敷地内禁煙または店内禁煙の飲食店を「空気もおいしい施設」として認定し、専用のステッカーを発行する独自の制度を実施。7月3日時点の登録店は43店ある。

 認定店の一つ、市錦町1の「スナックすずらん」では3月から店内禁煙を始めた。禁煙の店と知り、市外から客が訪れるケースもあるという。たばこを吸わないという店主の斎藤美奈子さんは「常連客でたばこをやめた人もいます。私自身も呼吸が楽になって、ゆっくり眠れるようになった」と語る。

 一方、飲食店などでの喫煙所や灰皿の撤去が進み、喫煙者は新たな対応を迫られている。40代の自営業男性は「以前はたばこを吸うのが当たり前だったが、飲み会などをするときは喫煙可能なお店を探すようになった」と話す。

 市は、「空気もおいしい施設」が50店舗に達したタイミングで店を紹介するチラシを作成し、市内の公共施設などに設置する予定。