道医師会長が批判 一部道議の喫煙受け

2020/09/23 20:18 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/463214  関連報道

 改正健康増進法で全面禁煙とされた道議会新庁舎内で一部道議の喫煙が判明したことを受け、北海道医師会の長瀬清会長らは23日に記者会見を開き、「道議は道民の健康を守る役割があり、良識ある方の集まりと信じていた。がっかりした」と批判した。近く鈴木直道知事や村田憲俊道議会議長に庁舎内全面禁煙などを求める要望書を提出する。

 長瀬会長らは会見で「道内はがん患者が多く、模範を示すべき道議会も全面禁煙すべきだ。喫煙した道議は道民の前でしっかり事実を認め、(これ以上)間違った方向にいかないでほしい」と訴えた。「声を上げなければ、黙認したことになる」とも強調した。

 道医師会は昨年、道議会新庁舎に自民党会派が喫煙所を設置する方針を示したことに反発。道議会新庁舎の敷地内全面禁煙を求める約10万3千筆の署名を知事と道議会に提出していた。

 

民主、複数の喫煙確認 自民は事実関係調査せず 道議会新庁舎での喫煙

2020/09/24 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/463296  北海道新聞9/24pdf

 

 

ガッカリ・犯人捜ししない…禁煙の議会庁舎、複数の道議喫煙か

2020/09/24 07:54  読売 https://www.yomiuri.co.jp/national/20200924-OYT1T50107/

 敷地内全面禁煙の北海道議会庁舎内で複数の道議が喫煙したとの報道が一部であり、北海道医師会の長瀬清会長は23日、記者会見し、敷地内全面禁煙の徹底などを求める要望書を鈴木知事と村田憲俊議長に近く提出する考えを表明した。

 長瀬会長は一部報道に関して、「事実だと思う」と認識を示し、「がっかりした。道議は良識のある方の集まりだと信じている」と述べた。道医師会は道議会庁舎の敷地内全面禁煙の徹底や喫煙専用室設置の断念などを求める要望書を作り、近く鈴木知事と村田議長に提出する方針。

 これに先立ち、所属する一部道議が喫煙したと報じられた自民党・道民会議の佐々木俊雄会長は報道陣の取材に応じ、「今後疑われるようなことをしないでほしいと(会派の)皆さんに話した」と述べた。事実関係の確認については、「犯人捜しをするつもりはない」と話した。

 同様に一部道議の喫煙が報じられた民主・道民連合の笹田浩幹事長は「控室では確認されなかった」と屋内での会派議員の喫煙を否定した。喫煙したという議員の氏名や人数は明らかにせず、「常態化していないが、(敷地内の)駐車場の車内で不適切な喫煙があった」と複数の道議による喫煙を認めた。

 道議会での喫煙を巡っては、今年6月の現庁舎運用開始を前に、最大会派の自民党・道民会議が屋内喫煙所の設置を要望。設置に反対する民主・道民連合や公明党、北海道結志会、共産党と対立していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で議論が先送りにされていた。

「情けない」「責任持ち調査を」 道議違法喫煙に道民批判 「特権意識ある」指摘も

2020/09/25 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/463713

 改正健康増進法で屋内禁煙と定められている道議会新庁舎内で、自民党・道民会議と民主・道民連合の一部道議が喫煙していたことが判明し、道民から「あり得ないルール破り」「情けない」などの批判が噴出している。実態を明らかにしない両会派の姿勢に「議員特権があるとでも思っているのか」と憤る声も多く、非喫煙者を含む道議の地元活動に影響も出ている。

 「校則を決める校長が校則を破るようなもの。ありえない」。札幌市の主婦・越後久美子さん(45)は、道の条例や予算を決める道議の庁舎内での喫煙に憤慨し、「議会は責任を持って調査すべきだ」と訴える。

 名寄市の無職・瓜生勝久さん(79)は「道民の先頭に立つべき人間が禁煙できないなんて情けない」。函館市の増川太郎さん(46)は経営する飲食店を昨年9月に禁煙化したといい、「公共の場が禁煙なのは今や常識だ」とあきれた。道議会事務局には23日までに、約20件の苦情や抗議が届いたという。

 ある道幹部は、4月に道庁本庁舎の隣にあった喫煙所が廃止されたため、昼食は喫煙できる店に通う。「我慢できずに庁舎内で吸うなんて、同じ道政に携わる者として恥ずかしい」

 自民会派の若手道議は問題発覚後、地元会合で支援者から「議員失格だ」と叱責(しっせき)を受けた。喫煙者だが、庁舎外の喫煙可能な場所で吸っているといい、「議員全体の信用に関わる事態になっている」と苦々しい表情。民主会派の議員も支持者から「道議会はたばこ問題をまだ解決できていないのか」と苦言を呈された。

 ただ、両会派とも自浄作用は不十分だ。23日の自民の会合で、非喫煙者の道議が「喫煙の実態を確認した方が良い」と発言したが、「誰も認めないだろう」との反論を受け、調査しない方向となった。民主は地下駐車場の車中で喫煙をした所属道議の存在を認めたが、氏名などは伏せた。

 日本禁煙学会の作田学理事長は「道議に『多少のことは許される』という特権意識があるのだろう」と批判。自民会派内には庁舎内への喫煙所設置を求める声が強まっているが、子どもに無煙環境を推進協議会(堺市)の野上浩志代表理事は「多くの人が訪れる場所への喫煙所設置は有権者の理解が得られるはずがない」としている。