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 森が、月の明かりに照らされはじめた時、飛びまわっている姿が一つありました。
 

 それは、夜の大好きな、フクロウさんです。彼は、みんなの寝ている夜に、何か変わったこと、おかしなことが起きないかどうか、毎晩、パトロールしているのです。

森のみんなが眠っている間に、おそろしいことが起ったら、大変ですものね。フクロウさんは、もう何年も、夜のパトロールをしていますが、今まで一度も、おそろしい事件などには、出会ったことがなかったのです。
 

 ですが、今夜はいつもと違いました。なんということでしょう。夜のくらがりの中に、真っ赤な炎が、メラメラと上がっているではありませんか。
 

 彼は、目の前で起こっていることに、一瞬、とまどいましたが、すぐ大声で、

「火事だー、火事だぞー。」

と、森の動物たちに知らせ、急いで水をくみに行きました。