(9) 森が、月の明かりに照らされはじめた時、飛びまわっている姿が一つありました。 それは、夜の大好きな、フクロウさんです。彼は、みんなの寝ている夜に、何か変わったこと、おかしなことが起きないかどうか、毎晩、パトロールしているのです。 ですが、今夜はいつもと違いました。なんということでしょう。夜のくらがりの中に、真っ赤な炎が、メラメラと上がっているではありませんか。
彼は、目の前で起こっていることに、一瞬、とまどいましたが、すぐ大声で、 「火事だー、火事だぞー。」 と、森の動物たちに知らせ、急いで水をくみに行きました。
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