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「血液くん、こんにちは。いつも栄養を運んでくれてありがとう。」

と、肝臓くんが言いました。

血液くんは、元気がないようです。

「どうしたんだい。血液くん。」

「実はすご〜く困っているんだ。ぼくの体が、O2 (酸素)くんより、毒のCO(一酸化炭素)と仲よくなってしまうんだ。

 CO(一酸化炭素)が体の中にたくさん入ると、死ぬこともあるんだ。みんなも、火事の時、手ぬぐいやハンカチで口をおさえて、煙を吸わないようにして逃げるのを、テレビなんかで見たことがあるだろう。

 火事で死ぬのは、やけ死ぬんじゃなくて、ほとんどの場合は、煙の中のCO(一酸化炭素)のような毒ガスを吸って死んじゃうんだよ。

 肺くん、毒ガスのCO(一酸化炭素)を入れないようにすることはできないかい。」

「血液くん、ぼくの力ではどうすることもできないんだ。ごめんよ。」

「このごろ、血管くんのぐあいが悪いみたいで、肝臓くんからの栄養や、肺くんが送ってくれるO2 (酸素)くんを体の中に運んでくれないんだよ。」

と、血液くんが言いました。

「栄養やO2 (酸素)くんを、体の中に送られなくなったら大変だ。手くん、足くん、それにぼくたちも動くことができなくなっちゃうよ。大変だ、大変だあ。」

「ようし、みんなで血管くんのところへ行ってみよう。」