12/9に各政党を訪問し,以下の要請書を提出しました。
1999年(平成11年)12月9日
自由民主党 総裁 小渕恵三 様
公明党 代表 神崎武法 様
自由党 党首 小沢一郎 様
民主党 代表 鳩山由起夫様
日本共産党 委員長 不破哲三 様
社会民主党 党首 土井たか子様全国禁煙・分煙推進協議会 会長 市来 英雄
たばこの健康対策推進のお願い
謹啓,日頃は国政へのご尽力ありがとうございます。
厚生省は現在「健康日本21計画」を策定中で,2001年度より2010年度までの健康目標
値を設定し,来年(平成12年)1月には正式決定し,国民の健康づくりを促進しようとしてい
ます。この計画の中でも,特に「たばこの健康対策」については,10年で喫煙者率を半減す
るなど,素晴らしい目標設定が盛り込まれる予定になっています。また今年11月に神戸市で開催された「たばこと健康に関するWHO神戸国際会議」では,
2003年を目標に,たばこ対策の国際枠組み条約(国際健康条約)を締結することで,日本
政府も参加して協議を進めていくことが報告されました。しかし,わが国のたばこの健康対策の現状を顧みれば,わが国には,子どもや妊婦を含
め,非喫煙者の健康をタバコから守る法律すらない有様です。私たちは,国民の健康をた
ばこの害から守るためには,国レベルの整合性のある政策策定と,国会における政策決
定,及び非喫煙者の健康をたばこから守る法律制定が不可欠と考え,以下の要請をいた
します。ご高配をお願い申し上げます。記
1.たばこ及び受動喫煙の害は,医学的にも確定され,WHOの各国への勧告や,厚生白
書・たばこ白書等でも明言されています。これらを踏まえ,たばこの健康問題は厚生省
が一元的に所管し,国として整合性のあるたばこの健康対策を進める枠組みを確定さ
せてください。
・例えば,大蔵省所管のたばこ事業法で規定された,たばこの健康注意表示や広告制
限は,厚生省が所管するようにしてください。
・「未成年者喫煙禁止法」は警察庁が所管していますが,厚生省が所管するか,あるい
は共同所管としてください。
・たばこ販売の規制緩和や自由化について,未成年者に禁止されている物品の規制緩
和や自由化は,未成年者の健康を守るためにあってはならないことです。コンビニ等で
たばこ販売ができるようになったために,未成年者がコンビニ等で自由にたばこを買う
ようになった現実がこの証左です。たばこ販売の規制を強めてください。2.少子化社会を迎え,未成年者や若い女性の喫煙増加が深く憂慮されています。
西暦2000年に制定100周年を迎える「未成年者喫煙禁止法」の実効性のある法改定
や,未成年者が自由に買える自動販売機問題など,未成年者がたばこを入手できない
ような抜本的な未成年者喫煙対策が急がれます。この対策推進をお願いします。3.国民の健康づくりに,たばこ対策は最優先すべきものです。「健康日本21」に盛り込ま
れた「たばこ対策」が,その目標値を10年で実現できるよう,非喫煙者を煙害から守る
法律の制定や,たばこの健康対策本部の新設,たばこ税を上げ一部を対策費にあて
る,また対策の予算措置などを含め,国会での政策決定にお力をお願いします。4.たばこの健康対策の推進は,長期的に国民の健康づくりを進め,医療費を削減させ,
健康的な高齢化社会による介護保険料の削減も期待されます。国民経済にとっても寄
与するところが大ですので,たばこ消費量の減少による販売者や生産者の収入減少を,
手遅れにならないよう今のうちから,転業支援等の政策により補っていく政策の推進を
お願いします。5.WHOが,2003年を目標に進めている,たばこ対策の国際枠組み条約(健康注意表示,
広告規制,値上げと税の対策費充当,転業支援など)について,わが国も積極的にこの
推進に動くよう国会でも援護し,またこれを支持するようお願いします。6.子どもや未成年者,妊婦を含め,非喫煙者の健康をたばこから守るための法律
(非喫煙者健康保護法,素案別添)制定が,わが国でも必要な時期がきています。以上
の要請を含め,別添のよ うな法律を,議員立法等で成立させるよう,貴党のお力をお願
いします。
敬 具