枝野代表だけでは終わらない国会議員の「ヤバイ室内喫煙」の実態

配信 Friday https://news.yahoo.co.jp/articles/001470769ba8f08cde92fff101ecd3018e628706    関連記事  関連記事

「トイレに行く際にその議員の部屋の前を通ると、強烈なタバコの匂いが漏れてくるんです。立憲民主党枝野幸男代表が、議員会館の自室内で喫煙をしたことを認めていましたが、あくまで氷山の一角。他にも自室で喫煙をしている議員はいるのです。報道であれだけ問題視されたにもかかわらず、改善される気配は見えません」

怒りをあらわにしながら話すのは、ある中堅の国会議員だ。

今年4月、改正健康増進法が施行され、飲食店内での喫煙などがほぼ禁止されたのは周知のとおり。そんななかで、議員会館の事務所(自室)では、国会議員が喫煙を続けている…という問題を北海道新聞が報じた。

この記事はまたたくまに拡散され、ネット上では「もっと健康意識を高めてほしい」と批判の声が続出。元政治家の橋下徹氏もツイッター上で、「これが事実なら、議員て何のためにいるんだろ?納税するのがホント馬鹿らしくなる。議決機関は別だって、お前らは特権階級か!役所が禁煙ならまず議員こそが禁煙だろ!」と発言するなど、有識者からも厳しい指摘が相次いだ。

その後、枝野幸男議員が記者団の質問に対して、事務所内で喫煙をした事実を認め、「(喫煙する)議員が多く、徹底されていなかった側面が間違いなくある」と話し、自分以外にも「室内喫煙議員」が多数いることをにおわせた。

そんななか議員会館内で取材をしたところ、枝野氏の発言を裏付ける実態が見えてきた。「あの議員は人前でも吸っている」、「部屋を訪れるとタバコ臭い」という声が続々と聞こえてきたのだ。

「議員や秘書の自室での喫煙問題は、以前から問題視している人間は少なくなかった。2年前の暮れから、何度も『議員室内での喫煙はおやめください』とアナウンスがあり、議院事務局からも注意が来ていた。

ただ、『自室喫煙議員』として名前が挙がってくるのは、現役の大臣や重要なポストにいる大物議員が多かった。事務局もそんな大物相手には強く言えるわけがない。そうした状況を見かねたある議員が、この実態を報じてもらうしかない…と北海道新聞に事情を伝え、事態が明るみに出たということのようです」(野党ベテラン秘書)

議院運営委員会理事会は、4月1日以降の喫煙専門室以外での喫煙禁止を、書面ベースでたびたび通達していた。それでも自室喫煙が相次いだため、715日には「議員会館における屋内喫煙の禁止について」という書面も作成し、再度各議員に通知している。それでも事態が改善されなかったために、ある議員が行動に及び、報道につながったというわけだ。

喫煙自体は個々人の嗜好であるし、議員会館には各階に喫煙専用室が設けられており、建物内での喫煙自体が禁止されているわけではない。実際、大半の喫煙者は自室から移動して所定の場所に移動して喫煙している。館内全面禁煙の企業や建物が増えているなか、議員会館は喫煙者にとってはかなり恵まれた環境ではあるのだ。

それでも自室で吸う議員がいるのだから、非喫煙者はもちろん、ルールを守る喫煙者が憤るのは無理もない。別の国会議員はこう話す。

「部屋を出て少し歩けば喫煙場所があるのに、横着をして自室で吸う議員が多すぎる。枝野議員の発言も、あまりにモラルに反していると呆れるばかりです。法を作る立場の人間が、自ら法を破っているわけですから、国民に示しがつかない。

ヒドイのは開き直っている議員。当選10回以上の某議員なんかは、『俺は電子タバコやから(自室で吸っても)いいんや』と、悪びれることなく言っていましたね。

そもそも議員の喫煙率は高いうえに、年輩のベテランになるほどその割合が多くなる。そんな相手に対しては、事務局や若い議員は注意しづらいし、注意しても『なにを若造がえらそうに』となってしまうのです」

事務局の関係者によれば、名前が上がった議員に関しては既に7月に厳重な注意がなされたという。それでも、この議員の部屋を訪れた行政関係者は、「8月以降も、部屋に入るとタバコの臭いがこもっていた。議員だけではなく、秘書も紙タバコを吸っているという話も聞いています」と明かす。

 9月に入り、超党派の国会議員が山東参院議長に「議員会館内での喫煙ルールの徹底」を申し入れるなど動きは出ているが、与野党共にその腰は重いと言わざるを得ない。愛煙家のためにも、喫煙議員らが率先してルールを守るべきだ…と、いち有権者が当たり前のことを言わなければならないほど、永田町の住人の意識は世間とかけ離れてしまったのだろうか。