道内裁判所全面禁煙に 法律では道議会同様、喫煙所設置可能な「第2種施設」

2019/06/21 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/317433

 

 札幌高裁など道内全ての裁判所施設34カ所が7月1日から、敷地内全面禁煙となることが20日分かった。改正健康増進法で定める「第2種施設」で、屋内の喫煙所設置は可能だが、受動喫煙防止に向けて独自に判断した。裁判所と同じ第2種施設で、同様に多数の道民が出入りする道議会は、来年1月完成予定の新庁舎に喫煙所を設置しようとしており、異論が出ている。

 改正健康増進法は、7月から行政機関や学校、病院などの第1種施設を敷地内全面禁煙とし、オフィスビルや裁判所、議会庁舎などの第2種施設は来年4月から原則禁煙となる。

 最高裁は各裁判所に対し、対策を前倒しして7月以降は屋内を禁煙とし、屋外に喫煙場所を設けるかはそれぞれで判断するように求めている。これを踏まえ、大阪高裁福岡高裁などが敷地内を全面禁煙とし、名古屋高裁は管内6県すべての裁判所で敷地内禁煙とする。

 道内では、札幌高裁・地裁合同庁舎(札幌市中央区)が建物内にある喫煙所2カ所を6月末で閉鎖。屋外の喫煙所も一切設けず、敷地内全面禁煙とする。札幌高裁は「国は望まない受動喫煙を生じないように努める責務がある。裁判所は多数の来庁者があり、受動喫煙防止の観点から屋内の禁煙が妥当だ」(総務課)と説明する。

 このほか、函館、旭川、釧路などの地裁、家裁、簡裁すべての裁判所施設も同様に喫煙所を撤去し、7月から全面禁煙となる。

 一方、道議会庁舎は議決機関だとして7月から規制の対象とならず、来年完成する新庁舎に喫煙所を設置しようとする動きがある。現庁舎では一部議員が喫煙所以外でたばこを吸い、各会派で決めた分煙ルールが守られていない。

 これに対し、医師団体などが現状の改善と新庁舎に喫煙所を設置しないよう求める申し入れ書などを道議会各会派に提出。裁判所の禁煙化を受けて、道議会への反発が強まる可能性がある。