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| 14 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/精神依存を有する疾患は治療の対象とすべき（加濃正人） |
2006/1/29(日)23:45 - smokefree - 1666 hit(s)
「ニコチン依存症について、疾病であるとの位置付けが確立されたことを踏まえ、ニコチン依存症と診断された患者のうち禁煙の希望がある者に対する一定期間の禁煙指導について、費用対効果を検討の上、診療報酬上の評価を新たに設ける」に賛同いたします。
加濃正人（FCTC推進国民会議代表）
依存と健康障害だけで疾患と見なせます
薬物依存症はさまざまな健康障害を引き起こしますが、これらの障害は依存・乱用・中毒・離脱に大別されます。ニコチンには依存と離脱が存在することがDSM-IV-TRなどでも認知されています。タバコ産業の主張では、乱用の起こらない場合は治療の対象とならないとされていますが、これは誤っています。依存と健康障害だけで「疾患」と見なすことができ、充分に保険診療の対象となります。
アルコール依存症の治療に使用される抗酒薬には保険給付がありますが、抗酒薬の適用は「慢性アルコール中毒」であり、乱用ではありません。乱用がなく正常な社会生活を送っていても、アルコール依存によって禁酒が困難で、何らかの健康障害が予見されるときには使用されます。禁煙補助薬についても、抗酒薬と同等の制度的評価がなされてしかるべきだと思います。
また、乱用は社会的問題を引き起こす使用と定義されますが、受動喫煙を発生させながら喫煙を継続する行為は本質的に乱用であり、タバコの使用が乱用と見なされないのは、逆に社会制度上の不備に起因するとも言えます。実際、いかなる状況でも受動喫煙を一切発生させずに喫煙している喫煙者が、この日本に何人いるでしょうか？ 例外的なその方々以外は、すべてタバコの乱用を行っていると言えます。
精神依存を有する疾患は治療の対象とすべきです
JTから資金援助を受けているＹ氏の研究では、ニコチンの身体依存性が微弱、精神依存性が中等度とされ、これがタバコ産業の禁煙治療保険給付反対の根拠となっています。この見解は世界の学術的認識からかけ離れたものですが、百歩譲ってこれが事実だとしても、中等度の精神依存は医療の対象になると考えられます。
精神依存は、害の過小評価、効用の過大評価、離脱症状の過大評価などからなる認知の歪みに起因していますが、これを解消していくためには、認知行動療法等の理論に基づいたきめ細かな心理療法や生活指導が必要になります。禁煙補助薬は身体依存への治療になるだけでなく、心理療法や生活指導と組み合わせることで精神依存の解消にも効果を発揮します。
同じく認知の歪みを伴う精神疾患であるうつ病に対しては、抗うつ薬の投与と各種心理面談が保険適用となっています。ニコチン依存症に対しても、これと同等の診療制度を整備すべきであると考えます。
Ｙ氏の研究は、薬物注入を報酬として学習した動物が、報酬獲得のために費やす労力の量（レバーを押す回数）を依存性の指標にしています。この研究では、注入される薬物の量によって労力の量が変化するため、異なる薬物の依存性の比較を行うことはナンセンスです。また、司法の場での依存性に対する判断は、原告被告双方から提出された証拠だけから導き出された結論です。行政が医学的な真実を判定する根拠にはなりません。
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| ┣【14】 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/精神依存を有する疾患は治療の対象とすべき（加濃正人） 2006/1/29(日)23:45 smokefree (2641) |
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