2019/6/26 11:30 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46584080W9A620C1CR0000/
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が7月1日に一部施行されるのに合わせ、中央省庁や都道府県の本庁舎の敷地内を全面禁煙にするのは2省、10都府県にとどまることが26日、共同通信の調査で分かった。大半は「屋内の喫煙所は廃止するが、敷地内に屋外喫煙所を設ける」などと回答した。
同法は、学校や病院、行政機関は7月1日から敷地内を禁煙とするよう規定。屋内の喫煙所は使えなくなる。屋外喫煙所の設置は容認するが、あくまで例外扱いで、人事院は6月「敷地内禁煙が原則であり、屋外喫煙所の設置は推奨しない」との通知を省庁に出した。
受動喫煙防止を訴えるがん患者団体からは「率先して対策を進めるべき行政機関が曖昧な対応を取るのは悲しい。来年4月に始まる飲食店など民間施設の規制でも、喫煙が可能になる例外が多用されるのではないか」と心配する声が出ている。
敷地内全面禁煙を7月1日から採用すると決めたのは青森、岩手、山形、茨城、東京、佐賀、沖縄の7都県。秋田や滋賀、大阪は既に全面禁煙になっている。
一方、熊本など37道府県は、敷地内にある屋外喫煙所を使い続けるか、人通りの少ない場所に移設するなどとした。庁舎建物内については41道府県が「既に喫煙所はない」と答えた。
東京にある11省の本庁舎を調べた結果、敷地内禁煙とするのは国土交通省と文部科学省の2省だけだった。同法を所管する厚生労働省は現在屋外に1カ所ある喫煙所について「撤廃を検討中」としている。
改正健康増進法は東京五輪・パラリンピック開催前の来年4月1日に全面施行され、最も受動喫煙の機会が多い場所とされる飲食店や職場、ホテルのロビー、遊興施設、船、鉄道などが原則禁煙となる。これらの施設でも「喫煙専用室」の設置は認めており、事業者は設置の判断や工事などの準備を進めている。〔共同〕
6月30日で廃止になる文科省の喫煙所(24日)=共同
財務省内に設置されている喫煙所(24日)=共同