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12 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/ニコチン依存症を否定するJTへの反論
2006/1/26(木)17:32 - smokefree - 3811 hit(s)

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JTのホームページに、禁煙治療の保険適用に反対する主張が掲載されてい
ますが http://www.jti.co.jp/JTI/attention/20060123.html

これに反論する形で,禁煙治療の保険適用支持・賛同の意見を申し述べます。

以下のように,JTの主張は,事実をねじ曲げた誤認にあふれ,自己矛盾にも
陥っている内容なので,採用すべきではありません。

ニコチン依存で,止められない喫煙者に,社会制度的に禁煙支援を差しのべ
るのは,本人にとって,家族や周りの人にとっても,幸せにつながることです。
ニコチン依存の方々が「ニコチンの呪縛(じゅばく)から開放され,自由で穏や
かな日々に帰る」ために,禁煙治療の保険適用を是非進めていただけますよ
う,お願いします。


1.
JT1>ニコチンには依存性がありますが、その程度は弱いことが学術的にも社会的にも認められており、また喫煙者は、アルコール依存症患者等と異なり何ら支障なく通常の日常生活を送っておられることから、喫煙すること自体が病気であるという考え方は誤りであると考えます。

上記への反論1.
タバコの寄与の大きい喉頭がんによる喉摘者や,手足が壊死するバージャー病
患者で,それでもタバコがどうしても止められない例は多く報告されていますし,
歌手の和田アキ子さんが,2005年7月1日の産経新聞朝刊のインタビュー記事
:わたしの失敗「たばこやめたい,やめられない」で,
止められないことを下記のように語っていますが,これほどに,タバコは依存性が
強いことの証拠です。
 http://muen2.cool.ne.jp/wada050701.jpg 


2.
JT2>しかし、これが60歳代では36.8%、70歳代では27.7%と、喫煙率は急激に下がります。
もし喫煙が単にニコチン依存によるものならば、なぜ60歳代や70歳代で急に禁煙できるようになるのか、説明がつきません。
これは、定年を迎えて第一線を離れ、ストレスが減少したため、禁煙したい人は禁煙なさるものと考える方が合理的ですし、先ほど述べた喫煙者の喫煙理由にも合致するものと考えます。

上記への反論2.
この喫煙率の減少は,「ストレスが減少したため」と解釈するよりも,長年の喫煙
で健康を害しあるいはそれに気づき,禁煙せざるを得なくなった,また吸えなくな
った,と解釈すべきです。国内外の喫煙に関する医学・疫学データはそれらを裏
付けています。


3.
JT3>また、私たちが訴えられた東京たばこ訴訟において、依存性が争点の1つとなりましたが、依存性の専門家の見解を踏まえ、「喫煙習慣がついたあとの禁煙には困難を伴うものの、その依存性の程度は、・・・(中略)・・・喫煙者自身の意思及び努力による禁煙ができないほどのものではないと認められる。」との判決が示されています。

上記への反論3.
この東京高裁の控訴審判決が,事実誤認であることは,私たちは既に批判声明
「タバコ病訴訟の控訴審判決には,重大な事実誤認がある(批判声明)」
 http://www3.ocn.ne.jp/~muen/yobo/hanketuhihan0507.htm の2で論破して
いるように,

「タバコ行政を所管する財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は,2002
年10月に「喫煙と健康の問題等に関する中間報告」(A)を財務大臣に提出しまし
たが,
 http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/tosin/tabakoa141010.pdf

 財務省自身が,上記Aの3ページでたばこ規制枠組条約の「たばこが依存を引き
起こし、かつそれを維持すべく高度に設計されていること(中略)を認識」を,
「当審議会として……その上で、多国間で合意形成された規制の基本的方向につ
いては、国際協調の観点から、原則として尊重すべきである。との認識に立つべき
ものと考える。」(Aの4ページ)と明言しています。

 また,2005年7月からタバコのパッケージに義務づけられた警告表示の一つに
「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます」とあるの
が,国自身がニコチンの依存性を認識している証左です。」

JTは,昨年(2005年)7月から義務づけられた,タバコのパッケージや広告の健康
注意表示のニコチン依存性を自ら否定するのでしょうか。自らが販売しているタバコ
商品の表示を否定することは,自己否定かつ自己矛盾となると言わざるを得ません。


4.
JT4>また寿命短縮期間についても、日本の疫学調査のデータから「3年程度」とする報告があるにもかかわらず、あえて欧米の疫学報告を用い、「12年」と過大に見積もられていると考えられます。

上記への反論4.
上記の「日本の疫学調査のデータから「3年程度」とする報告」はそのようなことを
述べた報告ではなく,事実をねじ曲げた主張であり,
「欧米の疫学報告を用い、「12年」」は,国際的にも最も評価の高い英国のDoll博士
らの50年に亘る調査報告の文献で,信頼性の最も高いものです。
http://muen2.cool.ne.jp/jyoho/jyoho.cgi?log=&v=1&e=msg&lp=1&st=0


〔ツリー構成〕

【10】 診療報酬改定に関するパブコメ1/27まで/ニコチン依存症など 2006/1/18(水)20:01 smokefree (933)
┣【11】 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ1/27まで/ニコチン依存症など 2006/1/25(水)16:20 smokefree (1061)
┣【12】 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/ニコチン依存症を否定するJTへの反論 2006/1/26(木)17:32 smokefree (4045)
┣【16】 re(2):補足:60〜70歳代の喫煙率が下がっているのは既に亡くなっている喫煙者が多いからでもあるのです 2006/2/3(金)15:44 smokefree (1401)
┣【17】 re(2):補足2:禁煙治療の保険適用で,国民が健康で豊かになり,医療費も確実に減ります 2006/2/4(土)19:50 smokefree (3163)
┣【18】 「喫煙者は早死にする」をJTはポロッと認めています!! 2006/2/9(木)18:18 smokefree (2329)
┣【13】 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/禁煙治療の医療給付実現に賛同(松崎道幸) 2006/1/27(金)10:14 smokefree (932)
┣【14】 re(1):診療報酬改定に関するパブコメ/精神依存を有する疾患は治療の対象とすべき(加濃正人) 2006/1/29(日)23:45 smokefree (2641)
┣【15】 中医協060118ニコチン依存症論議,厚労省部会060123数値目標&タバコ税(参考資料) 2006/1/31(火)09:45 smokefree (304)

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